日本の長期金利の推移を予想する

日本の長期金利の推移を予想する

2011年度の長期金利は、年度当初は東日本大震災を受けた国内経済の低迷などにより、低位安定が想定されるものの、年度末に向けては復興需要の顕現化に加え、欧州財政不安の鎮静化、新興国の高成長、米国の成長率改善などが進展するなか、上昇基調への転換を見込む。

 

我が国では、震災によるストック被害は、内閣府試算で16.9兆円に達したが(除く原発事故関連被害)、原発事故に加え、サプライチェーン問題や電力不足、風評被害など2次的・3次的被害を含めると、阪神・淡路大震災(被害総額12.5兆円、1次被害9.9兆円、2次被害2.6兆円)の数倍の規模に達するものと想定される。

 

ただし、サプライチェーン問題は予想以上に修復が進み、生産なども秋頃には震災以前の水準に回復する見込みだ。一方、依然、余震リスクに加え、原発の停止が相次ぐなか、電力供給不足は長期化することも予想される。

 

こうしたなか、政府は規模4.0兆円の第1次補正予算を5月に成立させ、規模2.0兆円の第2次補正予算案を7月中旬に国会提出する方向だが、本恪的な復興目的の3次補正予算の編成は、菅首相退陣後となる見通しであり、国会提出は早くとも9月に召集される臨時国会となる見込みだ。

 

阪神・淡路大震災の際、復興基本法は震災から1ヵ月後、復興目的の補正予算の成立は同4ヵ月後であった。今回は、復興基本法の成立は3ヵ月後、復興目的の補正予算の成立は、6〜7ヵ月後となる見込みであり、遅れが目立つ。

 

背景には、被害の巨大さもあるが、菅直人首相の退陣時期が不明確なことも大きい。一方で、8月前後と予想される退陣後は与野党協議などが進み、補正予算・関連法等の審議の円滑化も期待できそうだ。